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2019年2月11日

締め付けないということ

すますのこと

最高の素材・メリノウールと出会い、インナーづくりを始めた妹には、ひとつの思いがありました。

それは、「締め付けない下着をつくりたい」ということ。

 

 

妹はずっと「インナー難民」でした。

もともとアトピー肌で、一般的なワイヤー入りのブラなどは刺激が強くて苦手でした。

ブラトップに変えても、アンダーバストのキツめのフィット感とムレ感が苦手。ショーツのゴムの締め付けも苦手。

化繊生地やチクチクするレースも刺激になります。

汗をかいたり、こすれたりすると肌に赤みやカユミがすぐに出てしまう…。

そんな経験があったので、メリノウールでインナーをつくると決めたとき、どうしても「締め付けない」ものにしたかったのです。

 

 

女性の肌は敏感です。刺激の少ないゆったりしたインナーを求めている女性は多いのではないかなと思います。

でもいざ探してみるとなかなか最適なものがありません。

バストやヒップをあげるため体型補正の締め付けがあったり、デザインは美しくても肌への刺激になる飾りが多かったり、天然素材でもちょっとデザインがいまいちだったり…。

 

 

「ムレや汗に強く、天然素材で、金具やゴムを使わない、シックなインナーをつくりたい」

「締め付けない」インナーがほしいという長年の思いと、メリノウールとの出会いがつながりました。

 

 

インナーなのにゴムや金具を使わない、となれば、様々な工夫が必要です。

まずは手作業で試作品づくりです。100円ショップでフェルトと綿紐を買ってきて、生地を様々な形に切ったり縫ったりしました。

 

 

「ゴムがなくても、インナーがずれないように」

「締め付けによる補正効果がなくても、女性の身体がキレイに見えるように」

「呼吸が楽になり、血流を阻害しないデザインに」

 

 

家族に何度もフィッティングをお願いしながら、身体を締め付けないふわっとした着け心地と、

無理にバストやヒップをあげなくても女性の身体がキレイに見えるような美しいカットラインを追求しました。

下着好きの友人にも試してもらい、ゴムなしでも長時間の着用でずれがでないか、繰り返しテストしました。

 

 

追求の結果は…

 

 

金具を使わないために、最終的にブラは「たすき掛け」のデザインにしました。

結果、肩ひもが落ちてこない上に、自然な姿勢の矯正効果もある快適なものができました。

バストにふわっとのせてあるだけなので、血流も邪魔しません。背中の湿疹が改善したり、たすき掛け効果で姿勢がよくなったり。

家に帰って「すぐ外したいー」という感じにならないのです。

 

 

 

ショーツもゴムを一切使わず、サイドを紐で結ぶデザインにしました。

太もも周りとウエストをゴムで圧迫しないことがこんなに楽なんだというのは、使って初めてわかる心地よさでした。

ときたま紐が抜けてしまったときに穴に通し直す面倒さはあるものの、ショーツを脱いでもゴム跡の残らない快適さはそれを上回ります。

 

 

 

ブラを着けても、苦しくない。ショーツを脱いでもゴム跡が残らない。

 

2017年の夏、「紐で調節するブラ」と「紐で調節するショーツ」が完成しました。